眼鏡堂書店

山形県東根市を中心に、一冊の本をみんなで読む課題図書形式の読書会を開催しています。 また、眼鏡堂店主による”もっと読まれてもよい本”をブログにて紹介しています。

【お知らせ】今後の課題図書について(7~10月分)

東根市を中心に読書会などを開催している眼鏡堂書店です。

お初の方は初めまして。すでに知っている方は、平素お世話になっております。

眼鏡堂書店の読書会は、一冊の本をみんなで読む課題図書形式をとっています。

というわけで、今後の課題図書のご紹介です。開催の日時や場所等については別途ページをアップしますので、お待ちください。

 

7月 『燃えつきた地図』安部公房

今年は安部公房生誕100年。映画『箱男』の公開や全著作の電子書籍化など、とても追い風が吹いています。というわけで、そんな安部公房作品から『燃え尽きた地図』を課題図書としてみました。『砂の女』『他人の顔』と共に、「失踪」三部作とされている作品で、突然失踪した或るサラリーマンを捜索する探偵が、男の足取りを追って奇妙な事件に遭遇するうち、やがて探偵自身が記憶を見失って失踪する物語です。

コロナ禍を経て希薄となった人間関係と、以前のように戻ろうとする人間関係とが交錯する昨今、この『燃えつきた地図』という作品が何を感じさせてくれるのか、とても楽しみです。

 

8月 『関心領域』マーティン・エイミス

第96回のアカデミー賞において2冠を受賞した映画の原作本。あらすじは、おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所のナチ司令官、司令官の妻との不倫をもくろむ将校、死体処理の仕事をしながら生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の狂気、欲望、そして──。いまだ終わらないロシアのウクライナ侵攻、イスラエルパレスチナの戦争。こういう時代だからこそ、人類史に刻まれる負の遺産であるホロコーストについて考えてみたいと思います。『夜と霧』や『アンネの日記』そしてハンナ・アーレントの「凡庸な悪」、それらを踏まえたうえで本作が私たちに何を語りかけてくるのか、みんなで読んでいきたいと思います。

 

9月 『今夜、すべてのバーで』中島らも

気づけば、中島らもがなくなって今年で20年になろうとしています。コピーライター、小説家、劇作家、演出家、俳優、落語家、エッセイストなどなど多方面でたくさんの作品を生み出し続けた異才。”かつて読まれていたもの”にスポットを当てようという眼鏡堂書店にとって、中島らもが今読まれていないのはもったいない!ということで、今回は彼自身の宿痾でもあったアルコール依存症を扱った本作を取り上げました。

アルコール依存症をあつかった作品というと何やら暗くて重いものを想像してしまいますが、著者特有の関西ノリというかひねくれたユーモアが満載で、それでいて心を打つ作品。稀有な異才の作品をみんなで読んでいこうと思います。

 

10月 地元を舞台にした本&地元について書かれた本

地元を舞台にした本&地元について書かれた本(※画像はイメージです)

友人からの持ち込み企画(?)です。グローバル化が叫ばれる一方で、改めて地元であるローカルを見直そうという動きが現れています。眼鏡堂書店も乗るしかない!このビッグウェーブに!というわけで、地元を舞台にした本&地元について書かれた本というテーマで読書会を開催しようと思います。テーマでの開催はお初でございます。

それぞれの地元について書かれた本、郷土史や民話はもちろん、地元を舞台とした小説、地元出身者が書いた本などなど、今回の読書会のテーマに沿ったものならジャンル不問です。自分の地元ドンピシャがない場合は当てはまる地域を広げてもらってOKですが、上限は『山形県』にしようと思います。(県外からのご参加の方はご相談ください)グローカルならぬ”グッド👍ローカル”を目指す読書会です!(大丈夫なのか?この企画は?)

 

 

というわけで、今後の課題図書についてのお知らせです。日時や場所につきましては、別途お知らせいたしますので、お待ちください。また、課題図書や読書会の開催自体の変更についても、別途お知らせすることになろうかと思います。

以上、眼鏡堂書店でした。