1/20(土)に、山形市の滝山交流センターにて開催された新春交流ためし読み読書会@よりみち文庫に参加してきました。
よりみち文庫で行われている読書会は少し変わっていて、自由に本を紹介する形式や、一冊の決められた課題図書をみんなで読む、といった形式ではありません。
大まかなテーマに沿った新書3冊を試し読みしていく、という形式。
新書というのはよほど興味がわかない限り手が伸びないもの。そういう意味では、強制的にそれらに触れるのは、いささか強引なものを感じますが、自分の中にある知識の幅を押し広げる後押しになるような気がしました。
ちなみに、このためし読みタイムは3回あり、眼鏡堂書店が選んだテーマと本はコチラ。
テーマ『現代日本文学論』
・「ニッポンの文学」
・「男流文学論」
・「文壇アイドル論」
テーマ『クマ問題』
・「デンデラ」
・「野生動物と共存できるか」
・「クマ問題を考える」
テーマ『ガザを知る』
・「世界史の中のパレスチナ問題」
・「知識人とは何か?」
・「天井のない監獄 ガザの声を聞け」
個人的な感想としては、「ニッポンの文学」がたいへんよかった。
たとえば、シネフィルで有名なマーティン・スコセッシが、同じくシネフィルのクエンティン・タランティーノと一線をんを画すのは、スコセッシが映画だけでなく映画の歴史も愛しているというところ。実際、彼はケーブルテレビで映画史を語るチャンネルを持っている、らしい。
それと同じとは言わないけれど、眼鏡堂書店も文学を愛すると同時に、文学の歴史も愛してやまないのです。多分この辺りは、自分がヘヴィメタルファンであるのも要因かと思われ。
なので、現在までの文学の歴史や成り立ちを体系ごとに俯瞰できる本は大変ありがたい。
あと、「世界史の中のパレスチナ問題」も同様に興味深かった。イギリスの三枚舌外交に始まり、戦中戦後の「日ユ同祖論」など、かつて知識として知っていたものに再び出くわすのは大変楽しいものでした。……まあ、現在進行形の国際状況は「楽しい」などとはかけ離れているわけなのですが。
何はともあれ、課題図書形式の読書会を主宰する身としては、つねに選書に苦しめられるわけですが、その選書の間口を広げるための知識を蓄えるには?への後押しを頂いた気がします。
あと、単純に知らない読書会に参加するのは大変楽しいものです。
気に入った本を1冊プレゼント、ということで『ニッポンの文学』を頂いてまいりました。
よりみち文庫の滝口さま、小笠原さま、大変ありがとうございました。
【追記】
新春ということで、本の福袋なども頂戴してきました。
中身はコチラ。