眼鏡堂書店

山形県東根市を中心に、一冊の本をみんなで読む課題図書形式の読書会を開催しています。 また、眼鏡堂店主による”もっと読まれてもよい本”をブログにて紹介しています。

【開催のお知らせ】『高丘親王航海記』澁澤龍彦

今年もあとわずかとなりました。
この読書会では、1冊の本をみんなで読むことで、交流や気づき、そしてその作品が時代を超えて読み継がれてきた魅力などについて発見していけたらと思っています。
今回の課題図書は、
『高丘親王航海記』澁澤龍彦
です。
【日 時】
12月26日(日)14:00~16:00
(12月23日17:00を募集の締め切りとします)
【場 所】
コーヒー屋おおもり
山形県東根市さくらんぼ駅前3丁目4−1)
【読書会の進め方】
●課題図書をあらかじめ読み、当日その感想等についてディスカッションしていきます。(ディスカッションの際は、紳士的かつ冷静な対応をお願いします。(←重要)
【参加費】
コーヒー屋おおもりでの1品以上の注文をお願いします。
【定 員】
6人(※主催者含む)
【お申し込み方法】
コメントで参加のメッセージを。※当日のキャンセルや遅刻はコメント欄でお知らせください。
皆様のご参加をお待ちしております。
拡散希望です。バンバン広めてください。
 

今回の課題図書について、アマゾンでのリンクを貼っておきます。必要に応じてご利用ください。

また近藤ようこによる漫画版(全4巻)も課題図書としてokとしていますので、こちらもご参考までに。

 

【開催しました】『永日』色川武大

昨日11/28に、さくらんぼ東根駅前のコーヒー屋おおもりにて読書会を開催しました。ご参加いただきました皆様、大変ありがとうございます。
今回の課題図書は色川武大の「永日」。
初めて読んだという方からは初見の印象や感想を、既に読んだことがある方からは 改めて読んでみての感想や色川作品との出会いなどを話してもらいました。
純文学としてはとても読みやすいという感想があった一方、さほど長くない作品にもかかわらずあまりにも心に刺さりすぎるので一気に読むのはつらかったという感想もありました。ちなみにこの感想は主催者の感想です。
「永日」は父子の愛憎入り混じる葛藤が主題のひとつで、それについてもそれぞれの印象や感想を話し合うことができました。その一方で、異常なほど無味乾燥な母親への感情も作中から見受けられ、文学の題材として「母親と息子の心理的葛藤のある作品がすぐには思い浮かばない」という意見もありました。
改めて読み返すと、まったく古びることのない作品であることが個人的に大変印象的であると同時に、親の老いやいずれ来るであろう親の死、そして超えることのできない父親という存在を老いという時間の流れが否応なく超えさせてしまうことへの大きな戸惑いが、胸に迫るものがありました。
この読書会のテーマは、もっと読まれてもよい本、なのですが、これをきっかけに今回取り上げた「永日」はもちろん、その他の色川武大作品についてももっと読まれてほしいと思ったところです。
今回の読書会にご参加いただきました皆様、大変ありがとうございました。
次回の課題図書は、澁澤龍彦「高丘親王航海記」。
12/26(日)の開催を予定しており、開催日の約2週間前に参加者募集のページをアップいたしますので、よろしくお願いします。