9/21(日)に、東根市のコーヒー屋おおもりにて『ミミズクと夜の王』を課題図書とした読書会を開催しました。
前回の三島由紀夫とは打って変わり、募集当初から凪の状態。
何件かお問い合わせは頂いたものの、「開催できるのだろうか?」という有様。
ファンタジー&ライトノベルという組み合わせに皆さんご興味がないのか、はたまた紅花読書会さまのご指摘のように「9月はイベントが多すぎる」問題の影響か。
とはいえ最小開催人数である2名での開催となりました。
無事開催できて何よりです。

課題図書の下に後藤さん*1がいますが気にしないでください。

さて、今回は初のライトノベル回ということで、そもそもライトノベルとはなんぞや?というところからスタート。
- 主な定義としては、
- 文章が読みやすい
- アニメ調のイラスト
- 出版社がこれはライトノベルであると定義している
などがありますが、明確な定義は特になし。
雰囲気モノというか、一番わかりやすいのは2番目かと。
一昔前なら、
といった作者&イラストレーターの組み合わせが思い浮かびます。
そうは言いつつ、今回の課題図書はそんなライトノベルの定義から外れた作品。
なぜならイラスト口絵が皆無。そのうえ最初の電撃文庫版では非常に抽象的なカバーイラストだったりと、一般的に連想されるライトノベルというよりも一般書としてのファンタジー小説のような塩梅。
あわせて、眼鏡堂書店は初読時に違和感が。
何とも言えないムズムズする感じというか、「読み進めてもよいのだろうか?」という感覚。それもそのはず、本来は中高生くらいの女性読者に向けた作品。
電撃大賞を受賞して出版された本作ですが、原稿を送ろうとしていたのがコバルト文庫*2。それが紆余曲折を経て電撃から出版され、今現在完全版が講談社から。
この少女小説っぽさ、というのが今回の課題図書の大きな論点となりました。
ライトノベルらしからぬしっかりした文章と参加者の方の評と同じく、眼鏡堂書店は「繊細さ」「優しさ」「尊さ」あふれる少女漫画的な作品と評しました。
その一方で世界が非常に閉じていて、優しい人しかいない世界には少々違和感。
特に後者に関しては、悪い大臣とか悪い継母とかがいれば世界にもっと奥行きが出たような印象があります。
併せて絶対に人が死ななない、ということも。
ミミズクに刺された盗賊が、結構な傷の深さだったにもかかわらず、クロちゃんから「死んでないから安心しろ」的なことを言われるシーンに「そこまで死なせたくないか」と二人して思いました。
これら、描きたいものor描かなくてよいもの、のジャッジが男性作家と女性作家では違うのではないか?という仮説に基づいてのディスカッションはとても面白かったです。
例えば、前半の森のシーン。夜の王を聖騎士一向がとらえるシーンですが、かなりあっさり。魔物も特に登場せず、夜の王はポケモンか?と思うくらいあっさり捕獲されます。そして気づけば燃えている館。
これが男性作家だったら大バトルに次ぐ大バトルで第1巻終了。そして2巻目へ。ってな具合。
あくまでも作者が描きたいのは人間関係。だからこそ閉じた世界が必要だし、近年的な共感を得るには、不快な人物は出さない方がよい、というジャッジがあったのかもしれません。などと客観的に書いていて思ったのですが、今回の読書会は主催者と参加者の血の気の多さが「もっと戦いを!もっと戦いを!」と望んでいるのかもしれません。まったく、物騒な話です。
あれこれ書いてはきましたが、非常に読みごたえがある作品。
ただ、ライトノベルというジャンルの特性上、中古市場も含めて非常にアシが早いことには注意が必要です。ほかにも課題図書に取り上げたいライトノベル的な作品はたくさんあるのですが、こういう入手の困難さから外したものもあります。
正直言って、もっともっと読まれてもよい作品だと思っています。
ぜひ皆様も、「ライトノベルなんて」という先入観を一度捨てて、本作を手に取ってみてはいかがでしょうか?
余談ですが、映画化するならギレルモ・デルトロ監督にメガホンをとってほしいです。当然、主役のミミズクを演じるのは芦田愛菜ちゃんです。
絶対に間違いのない作品が完成するはずです。
さて。
次回は10/19(日)15:00~17:00 場所は東根市のコーヒー屋おおもりにて。
課題図書はアンソニー・ドーア『すべての見えない光』です。
参加者募集の記事をアップしますので、それまでお待ちください。
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