眼鏡堂書店

山形県東根市を中心に、一冊の本をみんなで読む課題図書形式の読書会を開催しています。 また、眼鏡堂店主による”もっと読まれてもよい本”をブログにて紹介しています。

【開催しました】眼鏡堂書店の読書会『地元を舞台にした本&地元について書かれた本』

10/20(日)に、さくらんぼ東根駅前のコーヒー屋おおもりにて『地元を舞台にした本&地元について書かれた本』をテーマにした読書会を開催しました。

いつもの課題図書形式ではなく、テーマに沿った本を自由な切り口で紹介するという初めての試み。告知当初はパタッと反応がなくなり、だいぶ心配したのですが主催者含め4名での開催となり、一安心したところです。

地元を舞台にした本&地元について書かれた本

地元を舞台にした本&地元について書かれた本』というテーマはありつつも、そこをどんな切り口で攻めるかは参加者の自由な発想におまかせする、という今回の読書会。

 

眼鏡堂書店は、

長瀞の教育百五十年史』

・小学校の歴史を中心に、地域の生活や文化などを俯瞰する。歴代のPTA会長の一覧や昔の行事(青年団や若妻会など)など知らないことがまだまだ多い。

『上野介の忠臣蔵清水義範

忠臣蔵を悪役とされる吉良の側から描いた小説。米沢の上杉家と吉良家の関係性を初めて知る。ちなみに、昭和の頭ぐらいまで米沢では『忠臣蔵』は一切禁止だったらしい。その理由は、本作を読むと納得。

 

ここから先は参加された人ごとに、眼鏡堂書店の感想をば。

 

小笠原さん

『山形怪談』黒木あるじ

いわゆる「高島暦」への信仰が非常に厚いのが山形県。特に、大将軍や三隣亡などの吉凶は大手ゼネコンの建設計画をも左右するほど。また、チョイスされた本書では荘内の話が多く、「さすがは即身仏と山伏のパラダイスだぜ」と思いました。

あと、小笠原さんが幽霊を見た、という驚きの話も。

 

ももやさん

『五百澤智也の世界』

『五百澤智也特集』

『山の自由研究』

『小荷駄の日差し』佐藤紀之

山形出身の地理学者、五百澤智也(いおざわ ともや)の話。いきなりニッチなところから切り込んでまいりました!国土地理院在職中は、地図作成に辣腕を振るった偉人です。地図ではなく鳥観図なのですが、実際に登山される方ということでその経験も加味されたものと考えると趣深いものが。山形市立図書館の元館長の歌集も、ももやさんらしいチョイス。

ja.wikipedia.org

 

りささん

『君のクイズ』小川哲

『盤上の向日葵』柚月裕子

『こりずにわるい食べもの』千早茜

『旅のつばくろ』沢木耕太郎

りささんの切り口は「外から見た山形」。40万円以上の高級将棋駒、遊佐という名字を使いたいからじゃあ遊佐に行ってみようという沢木耕太郎。山形は食べ物がおいしいのになぜおなかが減らないか?それは車移動が多いから。そして、クリーニング小野寺。

いったいどういうクイズの問題なのか?と個人的に気になります。

意外と山形、使われてる!

www.youtube.com

 

 

それぞれユニークな切り口で選書していただき、大変楽しい読書会となりました。

現在は選挙期間中ということもあり、「どこへ向かうのか?」という未来志向な話が地元おこしや町おこし、地域イベントで語られることがより多くなった印象。しかし、「どこから来たのか?」という過去の積み重ねの部分を見ることも、こういうご時世であればこそ重要ではないか?そう考えての今回の読書会なのでした。このテーマを提案してくれた友人には大変感謝しております。

みなさまも、改めて自分の地元を知ってみる、あるいは新天地で生活されている人はその場所について知ってみる、というのも面白いと思います。考古学的な見地ではなく、まずは興味本位の肩の力を抜いたスタンスで図書館や書店の郷土資料の棚を漁ってみると思わぬ発見があるかもしれません。

 

さて、今後のイベントや課題図書についてのお知らせです。

 

一箱古本市@ひがしね

11/3(日)に、東根市のまなびあテラスにて開催される一箱古本市に出店します。

皆様のお越しをお待ちしております。

詳細は、まなびあテラスのリンクから。

www.manabiaterrace.jp

 

【眼鏡堂書店の読書会】ドグラマグラ夢野久作

ずいぶん前に行った「四大奇書総選挙」にて、総投票数7票によって決定した『ドグラマグラ』読書会。一読ののち狂気に至る、と言われ、「読むと発狂する小説」として風名な本作。一読ののち発狂して参加者ゼロとなるかもしれないデンジャラス読書会!

 

日時 11/17(日)14:00~16:00

場所 Playground Cafe BOX  山形県山形市七日町3-5-18

 

正式な告知までしばしお待ちください。

 

最後に、内容の感想やリクエスト、記事を見て本を読みました、読み返しましたなどありましたらコメント欄に書き込んでいただけるとありがたいです。あと、もし気に入っていただけたなら、読者になっていただいたり、ツイッターのフォローや、#眼鏡堂書店をつけて記事を拡散してもらえると喜びます。以上、眼鏡堂書店でした。